忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2004年12月13日(月)

ずいぶん前からMacのG4で使っているモニターがヤバめになってきてて、時折すごい真っ黄色の画面になったり、画面がゆがんで四角が食パンの両端を指で押したような、つまり「ムンクの叫び」の顔のような状態になったりしていて、まずいなまずいな、と思っていたが、ついに今日、よりによって出がけに立ち上げていたら、突然ガガガガガピュウーンとなったかと思うと、たちまち真っ白い点になって何かが遠ざかっていってしまい、暗闇になった。で、静かになった。まったくご臨終という感じの最期だった。でもG4本体は立ち上がったままで、モニタが死んでしまって終了できない、という困った状態になった。結局ほかからモニタを運んでそれをつないで、終了できたのだけど、大変だ。
さよなら、さよなら。おつかれさまだったね、モニターちゃん。

で、夜はRomちゃんと久住さんのライブを観に行った。開演前、客席でホットサンドを食べていたら、久住さんが「あ、そうだよね!加藤さんがいるんだよね!せっかくだから飛び入りでさ〜」とおっしゃる。といったわけで1曲コーラスで飛び入り参加。
ロムちゃんのセットも楽しい曲に楽しい編成がなじんですごくよかったし、久住さんのセットも次から次へといろんな人が出て来て、最後は坂本Q一まで来てなんとヒップホップ(Qちゃんは”ヒッポップ”と言っていた)でクラフトワークや吉田拓郎の「結婚しようよ」などを歌い、歌い散らしてお帰りになった。久住さんは何をやっても、どこへ行っても、その場を全部ミックスして久住さんワールドにしてしまうのがすごい。2組ともとてもよかった。良いものを観せてもらった日だ。ロムちゃん久住さん、サポートのみなさんおつかれさまでした。どうもありがとうございました。

[link:340] 2004年12月14日(火) 02:07


2004年12月15日(水)

シーモアグラスでやっているpOmちゃんことひらのゆきこさんの展覧会にいってきた。pOmちゃんは空気公団と仲良しで、この間の空気公団のライブで気球を作った人だ。普段はシーモアで働きながら布で人形や小物などを作って展覧会をしたりしている。展覧会の度にお知らせのはがきをくれるのだが、それがまたモーレツかわいい。そして味とココロがみっちりの作品もすごくいい。今回の作品展はお人形がなかったが、過去の作品(みんな売れてしまっているので写真しかない)を見せてもらったら、これまたよいのだ。今度の展覧会はお人形をたくさん作ってほしいなあ。
シーモアで『ロバのロバちゃん』という絵本を読んだ。
キリがないので絵本センサーをしばらくしまっていたのに、そういうのを読んじゃったもんだから、またセンサーのスイッチが入ってしまい、ドイツとアメリカの古い絵本を衝動買いしてしまった。ちょっとやそっとのかわいい洋書などには手を出さないが、それでも押さえきれなかった。アメリカの「バネとかネジとか滑車の働きを子供に説明する本』。

[link:341] 2004年12月17日(金) 22:43


2004年12月17日(金)

実家の母と電話していて、『こりん(犬)元気?』と聞くと、
『ああ、すごい元気だよ。ここにいるよ、ほらこりん、ちあきちゃんだよ、ちーあーきーちゃんっ!試しにアンタそこから「こりん」って呼んでみ。』と言う。うちの母はほんとにどーしょーもないような小芸(口の端を指さして『あ〜〜〜〜〜ん、ホラあ〜〜〜〜んして』というと口を一瞬だけ1cmぐらい開く、とか、両手をあわせて『いただきまーす』など。どれもすごい微妙)をいつの間にか仕込んで喜んでいるので、『きたきた』と思いながらも電話口で『こりんちゃん!こりんちゃん!ちあきちゃんだよ!こりん!ワンは?』と叫んでみると、『フゥン......?』とか言ってる。母はこりんの耳に受話器をあてているらしく、私が『ダメなんじゃない?わかってないよ』などと言うのも無視。仕方がないのでそのままこりんの名を叫び続けた。すると、『.......ワン』って!おりこうだね〜〜〜!こりんちゃん。こりんは声は聞こえるのに『ちあきちゃん』の姿がないので、きょろきょろしていたらしいです。でもやってみるもんだね。
犬と電話できたよー。

[link:342] 2004年12月18日(土) 23:56


2004年12月19日(日)

お風呂読書の季節、家にあるものの、なぜか途中で興味が失せたり、そういう気分じゃなかったりして、読むのやめた本などをもう一度見直してみようと思い、夏目漱石の「それから」を読んだ。学生時代に確か一度読んだが、その時は気分じゃなかったらしく、更に森田芳光監督の映画も観たので、小説として読んだことの印象がない。そして正直な話、そのまま夏目漱石があまりにも有名な文豪だということもあって何となく今さらあらたまって「読む」ということをしないまま今になった。というわけで今になって読んでみた。するとなぜかとても面白く、スルスルと頭に入ってきて、あっという間に読んでしまった。
まったく偶然に読んだだけのとある解説によると「それから」は漱石自身が自分の作品の中で、後の漱石文学の柱であるといわれる(←まったく受け売り)「近代精神の文学化」を開花させた(←同じく受け売り)作品らしく、斬新だが荒削り(←だそうだ)な「吾輩は猫である」とかそのあたりの作品からくらべると熟しているものらしい。
そう言われると、じゃあそれ以前のやつも読んでみようと思い、次に「坊ちゃん」も読んだ。こちらも非常にわかりやすい。で、いま「こころ」を読むところだ。この読み方はまったく年代を無視していて、非常にかいつまんで作家の代表作を読んでいるというとっても不真面目なやり方だけど、まあそれはよし。
こうして読んでみると、どの作品を読んでもその文体というのはとても特徴的であることが改めてわかった。どう説明してよいのかわからないけど、なんかこうなめらかな食パンにすい、すいとバターとのばしていくような文章なのだ。書いている内容によどみや陰影があっても、文体によどみがない感じ。どんどん読み進んでしまうのはそのせいもあると思った。複雑な心境とか状況を一筆書きのように表してしまえるってすごいなあ、と思った。学校の推薦図書になったりする文豪はなるほどそれだけのことはあるのだ(←アホな感想)。森鴎外だけは「舞姫」がぜんぜん面白くないなーと思って(内容は全然覚えていない)、わりと避けてたフシがあったが、それも今読むと違うのだろうか。

[link:343] 2004年12月20日(月) 01:15


2004年12月26日(日)

世間ではクリスマスだったようですが、この日記を読んでいるみなさんはよいクリスマスでしたか?
終わってしまった今となってやっと日記が書けるが、私はまったくほんとにもう踏んだり蹴ったりのさんざんなクリスマスででした。
12月24日
今年はもう仕事納めかあ。。と思っていたが、急遽、もうひとつCM。大急ぎで打ち合わせに行って、年内にデモをあげることになった。大掃除どころではなくなった(しかしありがたい)。
さっそく作業を開始して、どんどんアイディアを出していく。
この日はまだ明日起きる不幸の数々を知る由もない。

12月25日
この日はそもそも明け方からおかしい日だった。
内容は全然覚えてないが、とてつもなく悲しくて号泣している夢を見て、ほんとに大声で号泣してしまっていた。起きてさえ夢だと気がつくのにしばらくかかって、その間、泣きじゃくっていたが、突然「あれ?夢?あれ?』と気がついて、あっと言う間に泣き止んだ。
起きてから、前日のアイディアを曲にしていこう、なんてMacを起動したら、一旦は立ち上がったものの、数秒後に突然ダウンした!そしてそれっきり全然電源が入らなくなった!うそーっっ!以下、パニック寸前の私の自問自答をごらんください。
〜〜〜〜いやいやいやいや、落ち着いて落ち着いて、こういうのってたまにあるよね。また何分かしたら突然チャーンって来るよね。っていうか前にも仕事でスタジオ持ち込んで、さあこれから、って時にいきなりウンともスンとも言わなくなった時あったじゃん?ああ、あったあった。あん時もさ、何やってもダメだったけど、偶然コツンって机にぶつけたら突然治ったじゃん?ああ、そうだったそうだった。ちょっとコンッってぶつけてみっか?(ちいさくコン....)電源....シーーーーン......もいっかい?
(ちょっとキツめにコツン....)電源.....電源......シーーーーン.......うーーーーーん、じゃあ振ってみっか?.....電源.....電源......シーーーーン......20分ほど経過。ダメだ、Macのトラブルシューティングは...なに?パワーマネージャーのリセット???
え?これは最終手段???うーーん、しかたがない、やるか、
えっとこれとこれとこれを押さえて電源と.....シーーーーン........ダメだ.......あ!Uちゃんに電話してみよ。なになに、フムフムアップルストアへ直接持ち込み?なるほど、もうそれしかないか.....〜〜〜〜〜〜
というわけで銀座のアップルストアへ行ったはいいが、4時前に持ち込んで順番が来るのは6時とのこと。それでも今日なおらなければ来週スタジオで作業できないので2時間待つ。
パワーブックの箱を下げてクリスマスの人混みの銀座をぶらつく元気はとうていなく、少しはずれのドトールで読書を決め込んだ
。しかし、そのドトールでもさんざんであった。
最初にまず一人掛けのテーブルを見つけ、重い荷物と上着を脱いで椅子に置き、コーヒーを買いに行った。戻ってくると、私の椅子だけはそのままで、テーブルがまるまる隣のおばちゃん集団のところへ持ち出されている。つまり、テーブルと椅子のある所に私の荷物のおいてある椅子だけがぽつーんとある。なので、『すみません、そのテーブルは私の席のテーブルなんですが。』というと、なんとそのおばちゃんのひとりが『だって聞いたもん!このテーブルいいですか、ってきいたもん!』といきなり逆ギレ。え???聞いたって誰に?私聞かれてないんですけど。え?隣のおっさん?いや私の席のテーブルにおっさん関係ないし。っていうか、あきらかにそのテーブルがなくなったら、私はテーブルないじゃん。と思ったが、そこは冷静に、『私はこちらの方とは別なので、テーブルはないと困るんですが』というと、5人のおばちゃんたちは機関銃のように『だってあたしたち、5人で(椅子もまわりからかき集めた)テーブル一個なんて狭すぎるのに!』とかなんとかいいながら、ものすごい形相でニラみをきかせつつ、乱暴にテーブルをこちらへグイっと押しやって来た。ムカムカするのを押さえつつ静かに席につき、本を読み出すと、すぐうしろの席があいたのでそこに移り、『よかったらこれどうぞ』とテーブルをさすと、おばちゃんたちは口々に『もーう遅いわよう!いいわよねー!これはこれで落ち着いちゃったから!』『あっちに移ってくれたんだってさ!』とか言いたい放題で、さんざん「いらない」と言ったあげく、やっぱりくっつけていた。
それから数十分、おばちゃんたちがようやく帰った後に、今度は親子連れが来た。別に騒ぐでもなく、普通に時間が過ぎたが、突然『パーン!!!』と爆竹みたいな音が店内に鳴り響き、それと同時に私のところへ『ビチーン!!!』とすごい勢いで何かが飛んで来た。その音といえば普通の風船が割れたとかの程度の音ではない。鼓膜はキーンとするし、その「ビチーン!』も痛いんだかしびれたんだか、なんか一瞬わけがわからなくなるし、がやがやしていた店内が水を打ったように静まり返るし、何かほんとの発砲事件が店内で起きたと思った。ら、その親子が持っていたおもちゃの一部の分厚いゴム状のチューブ部分が何かの拍子に破裂したらしい。で、『ビチーン!!』はそのゴムが私めがけて飛んで来たのだった。フと気がつくと、私のテーブルに赤いゴムチューブのようなものがビロンとのびていて、隣の親子はしきりに謝ってきた。びっくりしただけでなんともなかったので、その場はおさまったが、なんというツイてない日!
結局、Macはアップルストアでも電源は入らず、『故障ですね。』ということになり、一刻も早く要るんです、ないとダメなんです、と泣きついたがどうしようもなく、とにかく今日はあずけて翌日返事ということになった。最悪、Macなしで録音できる方法を考えるのが先だと思い、ほうぼう考えをめぐらす。なんとか乗り切れるにちがいない別の方法を思いつく。でも、まずは治ってほしい。
この日はほかにも、正しい切符なのにことごとく改札で鳴り、留守番伝言サービスを解除しようとしたのに、まちがえてダイヤルロックがかかってしまい、おまけに普段そんなの使わないから暗唱番号がわからなくて全然ロックがはずれなくて四苦八苦し、踏んだり蹴ったりとはまさにこのことだなあ、と実感。仕方なくUちゃんのお宅へ行って、ごはんをごちそうになり、帰宅。

12月26日
そして今日、Macが治った、と連絡があり、再び銀座へ取りに行く。基盤をとりかえてくれて、新品同然となったパワーブックちゃんをかかえて帰宅。すぐさま作業開始。と思ったが結局日記を書いている。今から作業開始。とりあえず、よかった!

[link:344] 2004年12月27日(月) 21:41

2003年6月16日までの日記


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