忘れ物はないね?日記2002.3.25〜3.31

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3月31日(日
●テレビでブルーハワイっていうカクテルが出てきて、思い出した、ブルーハワイの記憶。
確かあれは私がまだ小学3年生か4年生の時。今でこそ、ブルーハワイといえば、カクテルの化石(?)とも言えるほどメジャーな飲み物であるけども、当時は、まだブルーハワイっていう飲み物は一部のおしゃれな人たちのみが知る、おしゃれな都会の飲み物だったに違いない。
その日、私と母はどこかへ行った帰りに名古屋駅近くの祖母の家へ寄ることになっていた。でも、くたびれたので、駅地下の喫茶店(当時としてはフランス風のかなりおしゃれな喫茶店だった)へ入った。母は、忘れもしない、そこの『ジュレ・アン・ブレ』という名前のいわゆるコーヒーゼリーがお気に入りで、その日もすぐさまそれを注文。私はコドモなので、メニューをめくっているうちに色のキレイさに惑わされて『わたしコレ!』と注文したのがブルーハワイであった。店員も昼間なんだし、こんな親子づれの子供のほうが『わたしコレ!』と言ってるんだから、『こちらはアルコールですが?』とか何とか言えばいいものを、まったく何とも言わないで、黙って注文のものを注文どおり母と私の前に置いた。母の前にはおしゃれなジュレ・アン・ブレ。私の前には傘がささったブルーハワイ。今思い返せば、フランス?ハワイ?って感じで、店のコンセプトむちゃくちゃやがな!しかも母も母で、『ジュレ・アン・ブレ』なんて言ってるなら、『ブルーハワイ』ぐらい知っていてほしかったものであるが、母は下戸も下戸だったので、お酒に関する情報には特にうとかったようだ。
そして、『わあ!すごいジュース!』と嬉しくなって私は一口ブルーハワイを飲んだ。『おかあさん、これ、ヘン。何かヘンな味。(酒だよ、酒。)』『え?どうヘンなの?ちょっとかしてごらん。あ、ほんと、おいしくない。(だから酒の味なんだって。)まずい。(そりゃ呑めない人にはまずいよな..。ジュースじゃないんだからさ。)アンタこれと替えてあげるから、こっち食べなさい。』ということにで、私はコーヒーゼリーを食べ、母は喉も乾いていたこともあって、仕方なくブルーハワイを半分くらい飲んだ。もちろんアルコールとは知らずにである。ぜんぜん飲めないのに。
直後、母の顔がだんだん青ざめてきて『おかあさん、気持ち悪い』と言い出した。そしてもう、テーブルにつっぷしたまま、ぐた〜〜〜〜んとなってしまったのである。それからそのまま10分ほど経過。とにかくおばあちゃんちへ行かなくちゃ、と思い、母を背負うようにして店を出た。
よくテレビとかで見るような、本当に自分で歩けない酔っぱらいを背中に背負って足とかズルズルってなってる感じの格好で、昼下がりの名古屋の人ごみを歩いた。人はじろじろ見るし、私は子供の身長なので母のぶらーんてなった手が今にも地面に擦りそうだし、母は何か背中でぶつぶつうわごとみたいなの言ってるし、まだその時はなんで母がそんなになってしまったのか原因がわかってないので、私は極度にくの字に前屈みになりながら『もうこんなのいやだ、もう、おかあさんヘン。ヘン。』と泣きそうになりながら、おばあちゃんちまで母を運んだ。
今思えば母は何も悪くなく、もとはといえば私がブルーハワイを頼んだばっかりに、とばっちりをうけて気の毒だったのは母のほうである。祖母もわけがわからず驚いたことだろう。突然、孫が泣きながら娘をズルズルひきずるように背負ってやって来たのだ。とにかく寝かせよう、と、母を布団に転がし、父に連絡した。ブルーハワイがお酒であること、そんなの一気にチュウウゥゥッと飲めばおかしくなることが判明したのはその時だった。母はそれから夜中までぐーぐーぐーぐー眠り続けた。それにしても信じられないくらいお酒に弱い母であった。それ以来、私はブルーハワイを注文したことはない。
3月30日(土
●新しいアレンジ用に譜面を書いたり、曲のネタを出したりして、一日過ぎる。あとは何もなし。
夕方、新しい自転車に乗ってお買物。
●夢野久作の『ドグラマグラ』は、私は確か20代前半に読んだのですが、たまたま読み返したくなったので、本棚を探したけども見つからず。ここにないということは実家か?と表紙を思い浮かべながら、記憶の糸をたどったところ、どうやら、私はアレを読んであまりの恐さに(ご存じの方も多いと思いますが、いわゆるホラー的な恐さではない。)、読み終わった直後、衝動的に本を捨ててしまった
らしいような気がしてきた。えぇっ!捨てたのかよ!いや、うん、確かそうだ。だからもうきっと実家にもないはず。まあ今読んだらきっとそんなに恐くないだろう。しかし私も捨てるほど恐かったのかね?あの頃はかわいかったものである。っていうか、読者にそんなことをさせるほどの作品を世に残した夢野久作は偉大である。と思って、結局本屋で2度目の購入。ああいうのは映画化しないほうがたいがいいいね。当時映画も観たけどね。文字の恐ろしさのが私にはリアルだった記憶がある。
3月29日(金
●仕事でお世話になっている方々と飲み会。
焼き鳥屋さんでたらふくごちそうになる。その席で鳥取出身の人が、「鳥取ではお葬式の香典返しには必ずあんパンがついてくる。」と言い出し、話題沸騰。なんでも、そういう弔事用の袋にちゃんと入って、当たり前のようにあんパンがついてくるそうである。そのしきたりはいつから?そしてそれは初めからあんパンだったのか?
●帰りの電車で、痴漢にあったらしい女性と、その痴漢本人がそれぞれ駅の改札付近でおまわりさんに事情をきかれていた。痴漢はかなり強気で、『ポンポンと傘が当たるわけですよ、俺の足に。だから俺はそれをよけようとして....そしたら、急にナニすんのよーーっ!!って.....』とか、『疑うんなら回りの人を集めて聴いてくださいよ、』みたいな感じのことを言っていた。女性は女性で強気で、別のおまわりさんに事情を訴えていた。う〜〜む。春はやはり多いのか?
●春といえば、私もなんだか妙に気持ちが沈んだり、浮かんだり、いろいろ落ち着かない気分になったりすることが多い季節。言動も極めて大雑把だったり、逆に神経質になったりで、相手に本意が伝えられなかったり、誤解を招いたりすることになったりして、ショボーンとしてしまうこともしばしば。さらにぶっちゃけた話、自分に甘く、他人にはキツい最低にヤなやつになってたりして、そんな自分に気がついてますます自分がヤになったり、あーめんどくさ。という感じになったりもする。それは何のせいなのだろう?ま、そういうこともあるか。たまには。むむ。10代とか20代前半の頃とかは、そこですごい自己嫌悪になって自分を責めたりしたもんだが、最近はそういうもやもやを『そういう時はもうしょうがない、まーいーや。』と思ってしまえるいい加減さも出て来て、泥沼化する自問自答の渦に適当に自分でハマってあげたりしている。ということはますます自分に甘くなっているのか?ということでもあって、自問自答はますますつづくよどこまでも。的な昨今なのであーる....。瞑想中。
まあ、何をしていても手につかず、何もかもがいやになってしまった時は、いっそ嫌いなものを食べられるようになる挑戦など、目先のことにとらわれる行為をしてみてはいかがなものか(?)。何の解決にもなりませんが。
3月28日(木
●注文していた自転車が入荷したので、取りにいく。
おニューのオレンジ色の自転車。もう絶対に盗まれまいと、頑丈な鍵をもう一個買って、ぐるぐる巻きにする。
●そのついでに本屋に寄って、森博嗣の『すべてがFになる』を購入。この前来た時にはこれがなくて、なんとなくそのシリーズ10作目にあたる『有限と微少のパン』を先に買って読んだのだけど、正直言って、こちらはちょっと期待はずれの感じだった。私には。なので今度こそ、ほとんどの人が森作品の中では一番面白いと言う『すべてがFになる』を読んでみようと思ったわけなのである。で、本屋さんへ行ったらいつものようにアラレちゃんがいて(3月22日の日記参照)、私の顔を見るなり、『あ、この前の森博嗣ね、入ってますよ。それとね、こっちこっち、実はね、新刊も出てて入って来たんですよ。コレね。今度顔見たら言おうと思って覚えといたんですよ。』とうれしそうに声をかけてくれた。なんと私はいつも間にかアラレちゃんに顔を覚えられていたようなのだ。お客としてはお客冥利につきるというか、なんというか。でも、残念なことに、たぶん私はその本はもう買わないんだなー。森博嗣の本はちょっとしばらくいいかな、と思っているんだなー。アラレちゃんがせっかくうれしそうに教えてくれたのに、心が痛む。
●夜、下北沢のスズナリへ、少年王者館の天野さんが演出をした流山児事務所の芝居を観に行く。日頃、関係者関係以外の芝居はほどんど観ないので、久々に芝居らしいものを観た気がした。オモシロかなしい、面白い舞台だった。
終演後、天野さんとちょこちょこと話しをして、帰宅。
●スズナリから駅までの道、また迷ってしまう。スズナリは10年以上も前に自分も出てたことすらあるのに、なぜ迷う?全然地理が頭に入っていない。この頃はClub QUEへはようやく行けるけど。
3月26日(火
●夜、チアキテル相方ことRomちゃんのソロライヴを観に青山へ。
お、今まで見たことあるのとは全然違う本格テルミンお初。おお、音が太くてまろやかな感じ(これはエフェクターをかませてるからか?テルミンの素の音か?)。その、漆塗りのようにも見えるテルミンを操るRomちゃんも、どんどん腕をあげているようだ。さすが、テルミン界の小さな巨人なのである。観ている間にも第2回チアキテルの構想が頭に浮かんでは消え、消えては浮かびする。チアキテルとは大違いの優雅で楽しいライヴだった。
●帰り道、飲み屋さんの裏口脇で稼動するリズムボックスのような洗濯機に遭遇。どっかの店のBGMのリズムがもれているのかと思ったら、洗濯機かい!
●私のライヴにもよく来てくださるお客さんと立ち話。なんでもNHKのショップに『ハチ公ソース』などという妙ちきりんなソースを売っている、という情報を入手する。単に渋谷だからか?それともブルドックソースに対抗してるの?
そのせいもあって、道すがら、名古屋出身のUさんと『コーミソース(東京にはないのかな?)
』の話になったが、コーミソースのCMに出ている女優さんとキャッチフレーズが思い出せず、思い出せないままさようなら。そのまま、引き続き電車で考え、やっと思い出したので、Uさんに電話して気が済んだ。
山本陽子がコーミソースのびんを持って、『コーミソース、いいお味です』と言うのだ。それだけ。でもすっきり。
3月25日(月
●スペシャルニュースをUPしましたので、チェックしてね。
●病院へちょいとした検査に行く。
天気がよかったので、ぶらぶら40分も歩いて帰宅。町の中で桜がきれいだな〜〜と近寄っていくと、大体お墓かお寺であることがわかった。
●打ち合わせや、仕事の返事をもらったり、その他諸々の事務的なことをまとめてやる。40分も歩いたのが祟ってか、単に春だからか、眠くて眠くてちょっと昼寝(っていうか夕寝)のつもりでベッドにもぐりこんだら、そのまま2時間、夜まで寝てしまう。


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