忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2008年11月24日(月)

うちの近くには、おかしなセブン○○ブンがある。
最近になって、ちょっと普段行ったことのないほうへ行ってみようと入ったのだが、とても変わっている。変わっているがとてもすばらしいセブン○○ブンである。コンビニなのにまるで個人商店だ。
まず中央のワゴンに財布が売られている。よくデパートなどのセールにあるような、いろんなお財布がワゴンに山盛りになっているのだ。
それから野菜を売っている。チェーン店のマニュアル的に野菜を置いているコンビニは普通によくあるが、ここはそういうマニュアル感はまるでゼロの『バラ売り』。ダンボールに玉ねぎやじゃがいもがゴロゴロ入って『一個38円(正確な値段は忘れた)』という完全な八百屋方式である。
そしてパンコーナーに行くと試食コーナーがある。売っているのはセブン○○ブン共通のパン各種だが、それを試食用に切って置いてある店は他に見たことがない。そしてパンにも、レジ横で売られているコロッケなどにもいちいちお店のスタッフのおすすめメッセージが書かれている。
よく見ると、お店のいたるところに店長直々のスペシャル手書き広告が貼られている。
そして驚いたことに、成城石井と独自にコラボしているらしく、輸入食材がやたら豊富にそろっている。
更にもっと驚いたことに、勝手にご当地キャンペーン(その時は北海道祭りだったらしい)とかをやっていて、見たことも聞いたこともない北海道メーカーのレトルトカレーやインスタントラーメンがたくさん並んでいた。買ってみたが、店長さんがほんとうに自分で探して実際においしいと思ったものだけを集めているらしく、本当においしかった。しかし、何度みても知らないメーカーのものなので、もう他で買うことはできなさそうである。
そして極めつけは、ここぞ、という時の太っ腹なオマケである(これはさすがにいつもではない)。
それはボジョレーヌーボー解禁の日、たまたまその日の深夜12時に解禁された直後にお店に行った私。ボジョレーヌーボーには悪いが、本当にたまたま解禁日だったので、『ふーん、ならせっかくだから買ってみるか....』とワインを買うことにした。そしてそれに合わせて並べられてあったフランス産のチーズ(その時には、へえ、セブン○○ブンにこんな輸入チーズなんて珍しいな、としか思っていなかった。それが成城石井との独自コラボであったと知るのは後日である)をあれこれ見たんだけど、まあ高いし、おつまみはいいか、とワインだけをカゴに入れてレジへ行った。すると、すかさず店長らしき人が飛んで来て、さきほど私が買おうかどうしようか迷っていたチーズを、差し上げます、とおっしゃる。『え????』と驚いていると、
『お客様が今年のボジョレーヌーボーを買ってくださった第一号なので、特別に差し上げます。それに合うチーズ選んで選んで仕入れたので、せっかくですから一緒に召し上がっていただきたいのです。』とさきほどのフランス産チーズ(わりと高い)を一緒に袋に入れてくれるではないか。
スーテーキー!!!店長ステキ!なんて太っ腹!もう私、これから少しぐらい遠くたって、自転車立ちこぎしてでもここへ買いにきます!.........って叫んじゃいそうでした。もうすっかり心の中で贔屓を約束。
........って、おばちゃんゲンキンね。店長、商売上手です。まんまと店長のワナにかかったと言えばそれまでなんですが、でもそのサービスの仕方がすごくさりげなくて、イヤミがないからすばらしい。店長ばかりでなく、店員さんにもちゃんと気配りの心が行き届いていて、おつりのお札が汚れているのに気がつくや即座にきれいなお札と取り替え、向きをそろえてちゃんと渡してくれるのだ。深夜にもかかわらずお店がやけに賑わっているのもうなずける。
果たして、いただいたチーズは見事にボジョレーにマッチしていて、すごくおいしかった。まったく下戸でワインどころかお酒についてなにひとつ詳しくない私がいうのだからまちがいない(か?)残念ながら赤ワインは3cm以上飲むと蕁麻疹が出るので、ものすごくちょっとずつしか味わえなかったが、あのチーズとの組み合わせは絶妙だった。店長、おそるべし。
それにしても、あんなに独自の路線を歩んでいるセブン○○ブンは見たことがない。財布販売、野菜バラ売り、試食コーナー、ご当地シリーズ、勝手にコラボ、太っ腹なオマケ。この先、どんなマニアな企画が登場するのだろうか。すっかり贔屓にしちゃうのだ。

[link:1056] 2008年11月25日(火) 22:22


2008年11月23日(日)

さて、先日、『中華学校の子どもたち』が横浜ニューテアトルで公開になり、初日にはやっぱり客席で観ようと横浜へ行ってきた。
ニューテアトルは昔ながらの小さくてかわいい『街の映画館』。知らぬ間に、あちこちにシネコンが建ち並ぶ昨今、こういう昔ながらの映画館へくるととてもほっとする。映画館自体もひとつのお店のであるかのように、これだと思う映画を上映する。支配人以下スタッフのみなさんも、ちゃんと『人と人のおつきあい』としてお客さんと接しておられる。中華学校の子どもたちはこういう街のお店のような映画館で、そこへわざわざ足を運んでくれるお客さんに観てほしい映画です。たくさんの人が観てくれますように。もし足を運んでくださる方がいらっしゃいましたら、どうぞ最後のエンディグテーマで流れるスタッフロールまでご覧になっていってください。

そして夜には映画にかかわったスタッフのおつかれさま会がありました。中華街の『獅門酒楼』というお店で、豪華な中華をいただきました。眩しくくるくるまわる丸いテーブルを囲んだのは実に久しぶり。大変おいしくいただきました。監督の片岡希さんをはじめ、今までお会いするチャンスのなかった撮影や音声のスタッフの方たちにも映画のお話をいろいろ聞かせていただいて、とても興味深く楽しい一夜でした。みなさまおつかれさまでした。ご一緒させていただいて本当にどうもありがとうございました。

[link:1055] 2008年11月25日(火) 21:05


2008年11月22日(土)

まだまだ先と思っていた来年2月のライヴがのチラシを作らなければ。MANDA-LA2はどろグラ以来。ああ、がんばれ私。

先日栗コーダーカルテットのライヴを赤坂BLITZへ観に行きました。BLITZといえば、およそ10年前に原田知世さんのツアーの東京公演がここであったなあ!昔のBLITZでしたが。その時は博文さんがバンマスで、川口さんと初めてご一緒したんでした。その会場で栗コーダーを観るなんてすごいなあ!と感慨深かったです。
栗コーダーは小さな会場でも大きなホールでも、『栗コーダーらしさ』が全然変わらないすばらしいバンドだなあ、と改めて思いました。笛来い、ピアニカ来い、サックス来い、テューバ来い、ギター来い、打楽器来い、どんな楽器もどんと来いで、曲も演奏もすばらしい。だけど、栗コーダーの一番すてきなところは、そうやってどんなにたくさんの楽器を演奏しても、たとえ笛を吹いていなくても、さらにはそこにゲストが入って4人でなくなっても、がっちり『栗コーダーカルテット』なところだ。なんだか先輩ミュージシャンのみなさまがたをつかまえてエラそうですが、なんといってもそこが私の一番すきなところなのだからしかたがない。ブラボー!と思います。


[link:1054] 2008年11月25日(火) 21:06


2008年11月21日(金)

先日からお出かけがいくつか。
15日のカーネーションは、休養中の矢部さんに代わりタマコウォルズから中原ムーさん。が屋台を支え、いぶし銀の腕がうなる男所帯に花を添えてました。花、とはいえプレイは超男前、どしょっ骨ドラマーのムーさん、きれいなお姉さんが叩いているとはとても思えない。まさに豚肉パワー全開か。矢部さんとはまた違うフレッシュな切れ味の、しかし土臭く骨の太いイカしたグルーヴに感動しました。その初めてのムーさんを大きな器で包みつつグルーヴを引き出し、波にしていく直枝さん、大田さん、友情出演で登場した鳥羽オサムどんの懐深いプレイにも感動。みなさん、年を重ねるごとに男ぶりをあげていってるし、昔の曲をやっても、新曲も、すべてが等しく、ちゃんとまさに『今』のものになっていてすごい。

さて写真は、いただきものの『ペリカン』の食パンです。知る人ぞ知る浅草の有名店。予約をしないとほとんど買えないという超人気店で、一度食べてみたかったアコガレのお店です。
包みの袋もかわいくて、その中にコツンと収まっている小さめの四角いパン(一番人気は山型パンですって)。トーストしてバターをのっけて食べました。お・い・し・い〜!
パンのスタイルは浮ついたところがなくて頑固一徹の職人技というかんじ。絶妙な歯ごたえととなんともいえない小麦のいいにおい。私は特に食パンの全耳(一斤の一番端っこ)が大好きなのですが、この全耳はまちがいなくベスト3に入るおいしさでした。
老舗ということは十分知っていましたが今HPを見たらなんと創業は昭和24年!それからスタイルは変わっていないそうです。HPの雰囲気そのままのシンプルさでますます好きになってしまいました。

さて、本日より、エンディングテーマを担当しました『中華学校の子どもたち』が横浜ニューテアトルで公開されます。横浜に続いて来月6日からは銀座シテパトスでも公開が決定しました。お近くのみなさま、ぜひご高覧くださーい。

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[link:1053] 2008年11月22日(土) 11:24


2008年11月16日(日)

蚊の次はゴキブリである。
蚊騒動の数日後、用事で実家へ帰っていた日の深夜であった。
そろそろ寝ようとコンタクトをはずした。そして眼鏡をかけようと眼鏡ケースをあけると、ぼや〜っとしている視界の中で『サッ』っと茶色いものが動いた。コンタクトをはずしているのではっきり見えなかったものの、本能的に『アッ!』と思い、思わずふたたび眼鏡ケースを閉めてしまった。
え?なに?見間違い?
でも..................あれは..........!............あの、茶色、あの動き.............、あれはもしや!『アレ』か????
しかし眼鏡はまだケースの中である。
というか、なぜ眼鏡ケース?なぜ、私の眼鏡ケースの中にゴキブリが?そもそも、フタをしめておいてあった眼鏡ケースになぜ『アイツ』が?見間違いであってほしい。が、確認はできない。
頭は真っ白、視界はぼんやり、手元にはフタを閉めた眼鏡ケース。家人の寝静まった洗面台の前で完全にフリーズしてしまった。
とりあえずフタを閉めたものの、さてこれをどうするか。これから何をすればよいのか。えーとえーとえーとえーとえーとえーと..........
えーとえーとえーとえーとえーとえーとえーとえーと......、そうだ!まずコンタクトをもう一度入れよう!というわけで、コンタクトをもう一度入れ、視力はとりあえず確保した。
で、えーとえーと.......そうだ、ジップロックだ、ジップロックに密封してしまおう!と思いつき、ジップロックに眼鏡ケースごと入れて『ピッチリ』と密封。そしてここからが怖いんだけど、眼鏡ケースを袋の外からつかんで隙間をあけてみる。と、ウササササササーと体調約2cmの茶色い『アレ』が走り出てきた。やはり見間違いではなかった!
うわーーーーーっ!いや、落ち着け、落ち着け、ジップロックは密封されてるから大丈夫(でも透明)。とりあえず眼鏡ケースからは追い出したので、次は眼鏡ケース(眼鏡入り)を救出せねば。震える手で、袋の隅に『アレ』を追いつめ、こっちにこないように袋をねじって隔離し、眼鏡ケースを取り出し、すばやく再び『ピッチリ』と密封した。
さあ、これをどうしたもんか。袋が透明なのでとりあえずジップロックごと古新聞に挟んで見えないようにして、空き瓶で『ごめん、ごめん』と半泣きで新聞の上からバンバン叩く(しかしその音にも家族は誰ひとり起きてこない)。
.............しーーーーーん...............。
もう絶対ご臨終だろうと思い、新聞ごと丸めて棒状にした。
しかし!万一息がまだあり、万一ジップロックが破れていたら、夜中のうちに這い出してくる恐れもあると思い、上からさらにガムテープでぐるぐる巻きにする。そして、朝起きてきた母に伝えなければ、と思わず『ゴキブリ殺した』と油性サインペンで殴り書きしてしまう。
しかし書いた後で『ゴキブリを叩くために丸めた新聞だな』と解釈してそれをほどいて古新聞の束に戻すといけない(冷静に考えればそんなことするわけないが)と思い、その横に『死んでる』と書き足す。が、その後すぐにこれだと死体がどこにあるかが不明なので、さらに『この中(字が小さすぎ失敗、もう一度)この中』と書く。
よくサスペンスなんかで、意味不明のダイイングメッセージを解明していくのを見ると『こんな妙に思わせぶりだけど意味不明のことじゃなくて、もっと一目瞭然のことをズバッと書いて死ねばいいのに』と思ったものだが、ゴキブリ一匹でこうなのだから、そりゃあ息も絶え絶えに自分の血かなんかで書き留めるメッセージなんて意味不明になるわけだよ、と身を持って知ることになった。ああ、人とはまさに精神の動物であることよ。
こうして ”ガムテープでぐるぐる巻きの上から『ゴキブリ殺した 死んでる この中 この中』と油性サインペンで殴り書きした棒(長さ40cm、直径約5cmぐらいか)”ができ、やっと一息。ここまでですでに発見から30分ぐらいか。
あとは眼鏡ケースである。『アレ』がうろうろと歩き回ったと思われるので、そのままにするのは気持ちが悪い。まず眼鏡は石けんで洗った。しかし、私の眼鏡ケースはケース自体はプラスティックだけど、内側にもひゃもひゃの布が貼ってあるのだ。しかし、洗うしかあるまい。石けんでごしごし洗って、裏の物干に吊るしておいた。
そして戦いは終わった。
たかが3〜40分ではあったが、長く、孤独な戦いであった。
その後、寝ようとしたのだけど、気持ちが昂ってぜんぜん寝られず、夜は更にふけていったのであった。

さて翌朝、あの『棒』をみた家族は、棒の大きさと、その大げさな形状からその中に数匹ものゴキブリが死んでいる、というこれまた別の恐ろしい解釈をしたようで、そんなにたくさんのゴキブリが出たことは未だかつてないので、どこからきたのか!と、ちょっとした騒動になっていた。そして、それとは別に眼鏡ケースをみて母は『あの子は大雑把でズボラで(おいおい)眼鏡を拭いてる姿すらろくに見たことない(そんなことはない)のに、実家に帰ってきてまで夜中にこっそり眼鏡ケースを洗うなんてどうかしちゃったのではないか、いつのまにそんな几帳面になったのか、それとも急に潔癖症になるほど何か大変な心境の変化があったか、よっぽどストレスが溜まってるんだろうか......』と本気で心配したそうで、そのあたりはちょっとイイ話というか、お母さんありがとう、というお話であったのだが、母の中の私像を明確につきつけられ、軽い衝撃を受けた瞬間でもありました。
写真は17歳のこりんちゃん。写真きらい〜、の瞬間。

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[link:1052] 2008年11月16日(日) 17:57

2003年6月16日までの日記


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