忘れ物はないね?

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2004年05月13日(木)

ちょっとしたお知らせです。
HPの表紙にご案内を載せましたけども、次回のゆわかしと口ぶえより、HPでご予約を受け付けることになりました。
前売料金というのはないのですが、予約特典として、この先手に入ることはまずないであろう物をさしあげます。欲しいか欲しくないか、よくお考えになり(?)ふるってご予約ください〜。

[link:215] 2004年05月13日(木) 14:54


2004年05月15日(土)

シーモアグラスへチラシなどを置いてもらいに行き、途中でカレーを食べ、その足で表参道のブルーノートへ『The Bad Plus』を観に行く。
Bad Plusはニューヨークあたりですごい評価されてるらしいピアノトリオで、一応というか完璧に若手のバカテクジャズの人達だが、ジャズファンの中でも保守的な人たちには絶対ウケないだろうと思われるノンジャンルな変な人たちである。しかしかといってもおもちゃ箱的な感じ、というわけでは全然なく、もっとかなりかっちりしていて音楽的な土台もすごいし、しかも全然ポップじゃない、というかなり難しい所を突いてきている人たちのようです。
という前印象を持っていたのだけど、全体の印象は大体その通りだった。しかし、実際ライブで見るとその卓越したというにもほどがあるプレイはほんとすごかった。口では説明できないんだけど、まず最後まで全然拍子とかテンポとかがわかんない曲がある。わかる曲も途中でわからなくなる。弾いてる人を観てると、一応足でテンポなどをとっているのだが、すでにその取り方が何がなんだかわからない。でも突然何の合図もなくガシッと合うのだ。各人がまるでぐちゃぐちゃに弾いているとしか思えないような感じなのだけどもちろんそれはそのようにアレンジされているのだ。
いやーほんとにすごいもん観ちゃったなあ、というものでした。

それにしてもやはりブルーノートはニューヨークの老舗のジャズクラブだけあって、そのバンドを目当てに来るお客さんのほかに『単なるデート』とか『なんかパーティー終わったけど、盛り上がってるから帰るのにはまだちょっと..』という人々も多く、お店の雰囲気自体がもういわゆるライブハウスというところとはまったくちがう。お客さんひと組ひと組、係の人が案内してくれて、立ち見はいっさいない。ライブハウスというよりもレジャースポットなのだな、ということがよくわかった。それはそれでよいことである。
店内に入ると、その『バンドを目当てに来ている人』と『そうでない人』が一目瞭然である。バンドを目当てに来ている人はまず飲み物だけしか頼んでおらず。テーブルに着いても本などを読んだりして、ちょっとはこういうナイトクラブ的な雰囲気も楽しもう、というおアソビ感がまるでない。一方『今日は映画観る〜?どうする〜?たまにはサー、ライブハウスでジャズのライブとか観に行ってみなーい?』というデート組は二人してシャンパンなどを頼み、フォアグラのパテなどをパンに塗って食べたりしているのである。
その他のひやかし組はそろってトイレのブルーレット色、または芳香剤のボール色のカクテルなどを頼んだりしていて、そのカラーの違いがとても面白い。しかしなぜあのカクテルはあんなにトイレ色なのか?

人間観察も含め、とても楽しかった。

[link:217] 2004年05月17日(月) 01:12


2004年05月16日(日)

ザボンドボンのベーシストだったかじやんという名古屋の友達が所用で東京に来たというので、会う。いつか紹介しようと思っていたUさんSさんも誘い、千川にあるエコールクリオロという洋菓子屋さんへ言った後、高円寺、荻窪と回ってレコード屋さんとかひなぎくというカフェへ行きチラシなど置いてもらう。ミルトンマッシメントの初期のアルバムを購入。

行きの電車の中で、ふいにアフリカ系アメリカ人ぽい人に渋谷までの行き方を聞かれ、教えてあげたところ、そのまますごいついでのような感じで、『来週の土曜日ビールでも飲まへんか?(英語)』と言われ爆笑する。これってナンパか?すごい『ついでにナンパ』という感じである。
しかしその割に『ビール飲まれへんのやったら茶ーだけしばくんでもええでー(英語)』とすごいゴリ押し。別に関西弁じゃなくて英語だったんだけど、そのノリとか感じとか、なぜかなんかすごい関西弁で言われているような気がして笑えた。
なのでこっちも『やー、悪いなあ、そら行かれへんわー。かわりに友達ぎょうさん連れてこか?(英語)』とビシッというとあっさり笑ってあきらめてた。
ほほー、これがブルースか..(違う)。何ごとも勉強である。

ところで誤解のないように書き添えますと、私は別に英語が堪能なわけでは全然ありません。あくまで『あたしゃしゃべれるんだ!』というイメージ先行型ですので、おまちがいのないよう。

[link:218] 2004年05月17日(月) 16:46


2004年05月17日(月)

へーぷしゅっ。きのうは寒かったので、今日も小寒いのかと思ったら蒸し蒸しです。ゆうべは神社の境内にあるシャンプー台でシャンプーをされ、見物人からバチあたりだ、と石などをぶつけられるという夢を見ました。何か心に迷いでもあるのでしょうか..。

今日駅前を通りかかったら、大音量で『やだネったら(やだネ!の声をうながす)、やだネったら...』とどうやら生で歌ってるらしき様子が風にのって流れてきた。
何ごとかと思ったら、ぜんぜん知らない股旅姿の演歌歌手が駅前ロータリーにボロボロの営業カーで乗り付け、熱唱しているところだった。が、氷川きよしの歌が終わったと思えば、次は股旅姿に全然似合わないラブバラードみたいな歌がはじまり(たぶんヒトの歌)、肝心の自分の歌は一向に歌わない。結局、立ち止まっていた時間が短かったせいもあるが、その人の持ち歌は聴くことができなかった。しかし、ああいう遠ーくな感じでつめたーくひやかし見してる野次馬の前で、股旅姿でにこにこと『みなさーん、元気ですかー?あ、おかあさん、調子どう?』なんてやってきて、あれだけ朗々とラブバラードなどを歌い上げ、酔いしれることのできる根性はさすがだ。鍛えられてる。同じ路上で歌うにしてもストリートミュージシャンとはまたぜんぜん違う。ストリートミュージシャンはそれなりに『自分たちの何かに共感し、それを共有してくれる人』というのを求めてるんだろう、という印象をうけるのだけど、演歌はまさしく大衆が相手な感じ。じいさんばあさんからこどもまで、聴いてください、この歌を、みたいな。しかもその歌を聴いてもらうために、客寄せで売れてる他の歌手の歌ばんばん歌っちゃう。そりゃあ根性なくてはできないだろうなあ。
しかしその甲斐あってか、すれ違った女子高生は電話で『いまさー駅前で助さん格さんみたいな人が熱唱してる〜。チョーうけるんだけど』とかしゃべってた。

[link:219] 2004年05月17日(月) 21:31


2004年05月23日(日)プチ長期空白その一

どこでサボっておったかというと、名古屋へ行っておりました。おもな用事はいとこの結婚式や親戚の赤ちゃんが生まれたお祝い、友達のライブなどでした。そのライブというのは『GUIRO』という、友達の高倉一修がやっているバンドのライブだったのですが、長年にわたりタイミングが合わず見られないでいたのをようやく観ることができたんでした。
この高倉くんというのは、十代というもうずいぶん昔からの友達で、それぞれの音楽的趣向というか、作っている音楽の傾向はかなり異なっており、私が東京に住む今はほとんど会うことも連絡を取り合うこともなく、お互い黙々とわが道を行っている同士なのですが、私がザボンドボンの更に前身のガレキ・ド・カンカンというバンドをはじめた頃から、一番身近でおなじように音楽をやっていた人なのでした。
音楽的には彼がどんどん洗練の一途を進む一方、私はどんどん泥んこ世界(←?)へ自分の歩を進めて現在に至るわけですが、その間、幾度となく励ましあったり蹴とばしあったりしてきたものです。
....などというような、いわゆる少し感慨深いものも思い出されたりして、久しぶりに観たGUIROのライブはとてもよいものだった。マイペースぶりは全く変わっていないところもよい。相変わらず、難しいことに取り組んでいるなあ。音楽がとても好きな人たちはとても好きだろうが、そうでもない人には全然うけないだろうというところも、素晴らしいライバルの足を少しでもひっぱってやろうと企む私としてはシメシメと思うわけである。興味があっても決して検索しないように。

[link:220] 2004年05月25日(火) 01:32

2003年6月16日までの日記


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