忘れ物はないね?:2008-02-09

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2008年02月09日(土)

きのうの話。
きのう、とある用事で母が朝早くから嵐のようにやってきて、夜、嵐のように帰っていった。一昨日も今日も雪が降って寒い寒い東京だったが、昨日は奇跡的に天気がよく、母は新幹線からくっきりと富士山が見えてうれしかったらしい。
しかし待ち合わせた東京駅の改札ではいつまで経ってもあらわれず、携帯も出ないのでもう少しで構内放送をかけてもらうところであった。どうやら新幹線の改札で出た時に切符が一度戻ってくるのを取らずに、普通のJRの改札から出られなくなって、もう一回新幹線のところへ戻っていたらしい。それを言っておいてあげるのを忘れたので、気の毒なことをしたと反省する。
用事の後は、せっかくだから、と浅草へ行った(あまりにもオノボリさん観光スポットだが)。東京に住んでいても浅草寺とか仲見世とかはそんなに行かないので楽しかった。しかしフリーな母は人力車の引き手のお兄さんとしゃべりまくり、勝手にあちこちどんどん行ってしまうので(ああいう年頃のオバチャンはなぜ皆そうか?)見失っては大変と仲見世をものすごい早足で歩き抜け、母が手際よく買ってくれたお線香を立て、人でごったがえしている香炉(?)の煙を体に浴びて(?)いると、すぐ後ろから『I need more hair......』という小さなつぶやきが。思わず振り返ると、外国人ではなく、外国人を連れて来た日本人のオッサンがそうつぶやきながら頭に煙を塗っているところに目が合ってしまったので、思わずウインクしてしまいました。
そこから浅草寺の裏手をくるりと歩いて、古い喫茶店でカフェオレを飲み、東京駅へ行くと、連休前の金曜日で指定が全滅。
グリーンに変えようとおもったけど、それにはみどりの窓口に果てしなく続く長蛇の列にならばなければならず、とにかく自由席にならんでみようとホームへ行くと、またそこでも長蛇の列。仕方がないので、来る便全部に並んで座れるのに乗れば、と話していたら、母は突然何を思ったか『あ、わたしコレに乗るわ、もういいわ、じゃあね!』と言い残し、列の動き始めた便にぐいぐい乗り込んで行ってしまった。あまりの人の多さに乗り込んだ母の背中はすぐに見えなくなり、座れたのかどうなのかもまったくわからないまま電車が発車してしまった。しかし、母の乗っていった時点ですでに車両は満車になっており、あの列ではまったく座れないどころか、車両の間に立ってのもツライ状況だったと思うけど、どうしたかなあ、と思いながら帰路につくと、10分後にメールが来て、『人に押されて乗ったはいいけど、そのまま押されてまた前からホームに押し出された。次のも次のもぜんぶすごい列なので、もうだいぶ後の名古屋止まりのこだまがもう来てて、座れたのでそれに乗って今発車を待っていまーす』とのこと。
だから言ったじゃん. . . . . . . . 。
急にとりつかれたように乗り込んで行き、そして結局また押し出されるといナゾな行動の末、結局こだまで母は帰って行きました。客観的に見ると、ほんとにかなり『サザエさん』です。私も年をとったらああいうふうになるんだろうか。

[link:954] 2008年02月15日(金) 00:59

2003年6月16日までの日記


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