忘れ物はないね?:2007-05-01

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2007年05月01日(火)伊東に行くならハトヤ その3「チャッピー」

さて、熱川バナナワニ園から命からがら逃げ帰った(※そんなことありません。)私たちは、特急踊り子号に再び乗って、伊豆厚川からハトヤのある伊東へ向かいました。
あの、幼い頃から親しみ続けた『前はう〜み、うしろ〜ぉはハァトォヤァ〜の大漁苑!』と子供が自分よりでかいぐらいの魚をビチビチビチと抱えて歌うCM、あるいは『イトーにいくならハ・ト・ヤ〜♪でんわはヨイフロ41264126〜』という明るく楽しいテーマソングのせいで、「イトウ」と聞けばつい「ハトヤ」と答えてしまうほど、中部圏では有名なホテルです。
実はハトヤ、と一言で言っていますが、実際にはハトヤは歴史のある本館ともいうべき「ハトヤホテル」と、少し新しい(でも古い)「サンハトヤ」があるのです。どちらに泊まったものか迷ったのですが、CMに出てくる大浴場の壁面が水槽で魚が泳いでいる嘘のような『海底温泉風呂』のあるのはサンハトヤだったのでサンハトヤに泊まることに。(♪サンハトヤに決めた)で、すると、なんとサンハトヤでは、夕食は広大なホールに集団で集められ、ステージで繰り広げられるディナーショウを見ながら食べるらしいのです。その名もズバリ『レストランシアター』。そして4月の出演者は『CHAPPY(北川マキ他ダンサー2名)』. . . . . 「チャッピー」と. . . . . 「北川マキ」。(ちなみに7月からは「そのまんま美川」。わからない人は自分で調べてください。)
果たして、6時の開場時間とともにレストランシアターへドドドッとなだれこむお客さんに呑まれて席についた私たちの前にはこれでもか!という品数のごはんが並べられました。そして機械のようにそれらを口に運んでいると、『レイディースエンドジェントルメン!』というコテコテのアナウンスが。それに続き、『尚、開演に先立ちまして、ここでお忘れもののお知らせをいたします。11階のフロアトイレにおきまして、入れ歯をお忘れになりましたお客さま、お気づきになられましたら係までお申し付けくださいませ。それではお待たせいたしました!チャッピーオンステージでーす!』と来た。あまりにもあんまりな内容なので、そのアナウンス自体がネタかとも思ったのですが、そのわりにはわかりづらいネタであることと、まわりの客層からしてほんとにあってもおかしくないような雰囲気だったことなどから、未だに謎です。
そしてどんちょう(!)があがり、出て来た!チャッピー。後ろのテーブルの子供が「チャッピーーーッ!』と絶叫。(お母さんが『っちょっと、やめなさい!』とか言ってる)
チャッピーはまず美川憲一で出て来た。美川憲一のモノマネは7月のそのまんま美川の十八番らしいが、チャッピーも美川憲一。伊東は美川憲一ブームです。
チャッピー美川はスクールメイツの踊り子さんのような人を2名バックダンサーで従え、数曲を熱唱した。似てることは似てる。そしてチャッピーの退場とともに北川マキがアシスタントの女性と一緒に奈落からせり上がってくる。(サンハトヤの舞台はなんと奈落があって、舞台が降りたりせり上がったりするのだ。) そしてスタンダードなタイプのマジック。へえ、と思うが遠くていまいちよくわからない。でも拍手拍手。
で、再びチャッピーが、今度は美輪明宏で登場。客席に降り、テーブル間を歩きながらお客さんをいじり倒して行く。トークの切れ味はきみまろのようで、さすがに毎晩大勢の知らないお客さんをいじっているだけあって、お客さんが何をいっても拾って広げて落として、そして優しくフォローしていく。すごい!さすがだ!MCの勉強になりました(ほんとうか)。美川憲一、美輪明宏、和田アキ子とネタを終え、ステージも大団円。するとおもむろに、最後に一曲、と今までのチャッピーとはまるで別人のようなチャッピーが『ハトヤ音頭(正式な題名は不明)』を熱唱し始めた。すごく変な音頭だが、妙に頭につくメロディー。ダンサーのおねえさんもさきほどマジックのアシスタントをしていたおねえさんもみんな(といっても3人)飛び出してきて、キンキラの法被にキンキラの鉢巻で、ポンポンのようなものをふりながら踊りまくっている。その様子はまるで「ドリフのエンディング」とか80年代の「たのきんトリオとかが出てる歌番組の生放送のエンディング」のようで、オモシロすぎる。笑いがとまらない。そして次!たたみかけるようにハトヤのテーマソングこれまたフルボリュームでかかる。『♪イトーに行くならハ・ト・ヤ。デンワは4126』って。おいおいステージにもガーってなんか衝立てみたいなのが降りて来たよ。その曲に乗ってチャッピーが『今日はみなさん本当にどうもありがとうございました〜!みなさんとハトヤに幸福がおとずれますように!』と感動のフィナーレのような挨拶。うずまく照明。めくるめくキラキラのステージセット。そして、ホールの入り口から一斉に放たれ、ステージめがけて飛んで来る数十羽の白いハト。こわい!
ひえ〜〜〜〜〜〜〜っ。すごいエンディング!
『♪ヨン・イチ・ニー・ロク!ヨン・イチ・ニー・ロク. . . . 』気が、気が、くるう。
そしてどんちょうは静かに閉まっていくのでした。
. . . . . . 脱力。

ああ、私はこの先、テレビでちょっとでもチャッピーを見かけたら、きっと応援してしまうと思う。なんかよくわからないけど、きっと『あ、チャッピーだ!』って思ってしまうと思う。

そして極度の興奮と脱力で洗脳されたような抜け殻になって部屋へ戻ろうとすると、どこからかムーディーなタンゴが聴こえてきた。それは.........自由参加の『社交ダンスパーティー』開催中!の音楽. . . . . . . 。おそるおそるのぞいてみると、これまたひろーーーいホールで2組の男女が着飾ってステップを踏んでいた。一組はオバチャンが若い先生に教わっている状況。どうやらこれは毎晩開催されているらしく、玄関には『○○同窓会ご一行様』などという看板にまじって『ダンスパーティーご一行様』というのも出ていた(ぜったい毎日あそこに出てる。しまわれてない。)。
他にも『釣れば釣るほど安くなる三段逆スライド方式(まったく意味がわからない)』の釣り堀や、夏にはその釣り堀が変身する屋外プールとか、一年中泳げる室内プールとか、ゲームセンターとか、名物ハトっ子ラーメンを出すラーメン屋さんとか、もちろん魚の泳ぐ海底温泉風呂とか、サンハトヤには、目がくらくらするほどいろんな施設があります。まさにザ・レジャー。サンハトヤは、伊東という砂漠(※完全に海だけど。)にあるラスベガスです。

836.jpg 480×360 (original size)

[link:836] 2007年05月05日(土) 03:54

2003年6月16日までの日記


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