忘れ物はないね?:2006-07-31

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2006年07月31日(月)

ゆうべの『Terry Adams & Steve Ferguson Quartet 』、最高だった。音楽っていう広くて深い海にダイブしたようだった。ちょっと泣けたもん。おとといもよかったけど、昨日はねー、もうなんかほんとにスゴかった。
テリーもスティーヴもそりゃもう炸裂してた。
改めて彼らのすごさを思い知ったし、同時に音楽の素晴らしさを文字通り体感した。月並みな言い方しかできませんが。
たぶんあの場にいたひとみんながテリーのピアノは世界一だと思ったと思う。『スゴ腕のピアニスト』とか『うまさで圧倒する人』または『演奏で泣かせる人』みたいな人は世界にたくさんいるし、もちろん他にも素晴らしいピアニストはたくさんいるけども『あんなにスゴ腕で、素晴らしいのにぶっ壊れていて、いつも観客と同じところに乗っかって、圧倒的な楽しさを共有し、楽しすぎて泣けるほど人の心を激しく動かすピアニスト』は他にはいない。
スティーヴも普段はとてもポヤーンとしているのにあのギターのスゴさは何?って感じだった。スティーヴに今回初めて会って最初に感じたのは、ゆったりしてもの静かな人だなあ、ということ。口数もわりに少なく、一見何を考えているのかよくわからないのだけど、その実、いつでも非常に好奇心に満ちていて、とにかくできる経験はなんでもしようというチャレンジャー精神みたいなものと、一方で、そうやって入ってきた物事をまずじーーっと見て自分の中に取り込んでからそれを自分の力でどんどん理解していくという、人並みならぬ消化力みたいなのを合わせ持っているんだなあと思った。しかもそのモチベーションは外見からは読み取れないけどかなり高い。
よくある「とりあえずの体験好き」じゃなくて、好奇心と消化力がきちんとバランスを保って回路を作っているから『好奇心→経験してみる→それはどないなもんじゃろ→ふむふむそういうもんか→じゃあ自分はこう出る』というのを経てスティーヴから飛び出してくるものには計り知れないもんがある。
というのをスティーヴのギターを観て聴いて思った。
日本のいわゆる「乾きもん」であるミックスおかきみたいなやつを気に入ってわしづかみで食べていたスティーヴ。お好み焼きソースが気に入り、天つゆも気に入り瓶を持ち帰っていた。。。。
もちろんトムの圧倒的にグルーヴィーなドラムスも健在。
そしてそこに妙に生真面目なピートさんのアコベが絶妙で、楽しい。ほんとにいいバンドだなー。またぜったいやってほしいなー。
素晴らしい2日間でした。


[link:689] 2006年08月01日(火) 03:48

2003年6月16日までの日記


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