忘れ物はないね?:2006-02-19

『忘却』とは、忘れ去ることである。
人は『忘れる』という能力がなければ、絶望で生きていけないそうだ。
しかし、私にはそれらの忘れ物が大変愛おしく、また、そういった忘却の 中に存在する、私がかつて此処に存在していた証拠のかけらのようなものが、
どこか遠いところへでも散らばって、ある日ひょっと誰かのしゃっくりを止めたり
犬に遠ぼえをさせたりできないか、などと思うのである。
だから、私はこの日記を書くことにする。
この日記はその日にあった笑えることや、怒れることや、
その日に思い出した面白いことや悲しいことを記すためにある。どんどん忘れていくTwitterはコチラ

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2006年02月19日(日)

きのうはふちがみとふなとのライヴを観ました。
とてもよいライヴで、心地よく楽しかった。ふちがみさんの強力な声を強力にバックアップする強力なふなとさんのベース。そのふたつが足し算になり、かけ算になり、時には引き算にもなり、音楽が進んでいく。ほんとにすごい人達。すごい二人組です。

まず夕方に吉祥寺へチラシを置き、それから西荻窪へ行き、風邪気味だったので、ふちがみとふなとのライヴに行きたいけどおとなしく帰ろうかどうしようか、と迷いながら西荻窪にある羊の形のパンとかお菓子を売っているというお店『三月の羊』をさがしてウロウロ。しかし、家でちゃんと地図も見てきたというのにまったくない。わからない。ぜったいすごい近くのはずなんだけどなー、奥まってるのかなー、とその辺のお店の人に聞いても、かいものバッグをさげて道を行く地元の人っぽい人に聞いても誰ひとり『ひつじ?さあ. . . . . .』『ちょっとわからないねえ. . . . 』と首をかしげる。私が『売っているパンやお菓子がみんな羊の形をしているっていうお店なんですけど』というと、おばさんたちは『へえ、羊の?へえ。. . . . . . . 。 』と感心はするんだけど知らない。そうこうするうちにみぞれみたいなのが降ってきて、もう帰ろうかと思っていると、古本屋さんの興居島屋さんを発見。私は西荻窪の地理があんまりよくわかっていないのだけど、近くだったのだ。それで命からがら興居島屋さんに飛び込むと、奥には店長の石丸さんが。石丸さんはどうやらストーブにあたってポヤンとしておられたようで、私の顔も忘れちゃってて、加藤千晶です、と言ったらようやく『加藤さん?えー、そうだったっけー?』と声を聞いて思い出してくださった(よかった)。石丸さんは西荻窪の古本屋さん『興居島屋』と、三鷹の『古書上々堂』の人で、『おせっかいカレンダー』をお店に置いてくださったり、いろんな人にすすめてくださったり、お店でいっぱいかけてくださったりしてて、大変うれしいお世話になっている人なのだけど、いつ行ってもすれ違いばっかりでなかなかお会いできないのだ。それで私はいっぺんにうれしくなっておしゃべりをして、鳥の絵の洋書を一冊買った(私は上々堂も興居島屋さんも、行くと必ず欲しい本があり、どんどん買ってしまうのでこわい)。ついでにひょっとして石丸さんなら羊の店を知っているかもしれないと思い聞いてみると、『ああそれならこの裏だよ。でもこの道沿いから入る道はないから一旦あの広い道に出て、まわりこんで曲がるんだけど、曲がるところがまたちょっとわかりにくいからよく注意してみてください。』と教えてくださった。おまけに、ひょんなことから『さっきふちがみじゅんこさんから電話がかかってきて. . . .』と、おっしゃる。あれ、またここでも物事がつながってる。で、やっぱりふちがみとふなとを観に行くことにして、とりあえず薬局で葛根湯を買ってぐっと空けた。
それからようやく羊の店にたどり着いたが、閉店10分前で、品物はほぼ売り切れ。どっちも最後の一個だった『ひつじクッキー』と『ふわふわひつじ』を買いました。

昨日は石丸さんがお店に居てくださったおかげで、鳥の本も買え、ひつじも買え、ふちがみとふなとも観れ、久しぶりのお友達にも会えた。
みぞれの中をうろうろしていた時には寒くて痛くてもうイヤ、と思ったけど、それがすべてくつがえるようなよい日だった。

612.jpg 240×320 (original size)

[link:612] 2006年02月20日(月) 01:33

2003年6月16日までの日記


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